オーソモレキュラー栄養療法とは
はっきりとした症状はないものの体調不良を感じ、医療機関を受診するものの、診断をつけるための検査をしても「異常なし」と判定されたという方も少なくないと思われます。このような場合、栄養障害という可能性もあります。
栄養障害というのは、体にとって必要とされるエネルギーが不足している、いわゆる低栄養の状態だけでなく、カロリーの摂り過ぎや五大栄養素(ビタミン、ミネラル、タンパク質など)の過剰摂取による栄養過多も含まれます。つまり体内で必要としている栄養素がバランスよくとれていないことで、体調不良の症状を感じているということもあるのです。
当院では、栄養障害による体調不良が疑われる患者様に対して、「オーソモレキュラー栄養療法」も行っています。これは、問診や血液検査でまず栄養状態を調べ、栄養バランスの偏りなどを確認していきます。その結果、不足している栄養素があれば、食事、サプリメント、点滴などで補給していくという治療法になります。これは投薬だけに頼らず、必要な栄養素を取り入れることで人が本来持つとされる自然治癒力を向上させ、体調不良の状態を改善させていくとするものです。
なお栄養障害によって、起きやすいとされる症状には以下のようなものがあります。
- 風邪をひきやすい
- 長時間の睡眠をとるのが難しい
- 便通異常(便秘・下痢)がある
- 容易に疲れてしまう
- 冷え性を何とかしたい
- 傷の症状が長引く
- すぐに気分が落ち込む
- ぶつけた記憶がないのにあざがよくできる
- 爪に白い斑点がみられる など
上記の栄養障害でみられる症状というのは、他の疾患の一症状として現れることもありますので、必ず同障害に結びつくわけでもありません。
オーソモレキュラー栄養療法の流れ
同療法は以下のような流れで行われます。ちなみに診察や検査、治療に至るまで保険適用外となりますので、自費診療の扱いとなります。
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1.問診・血液検査
まず問診表に必要事項を記入し、採血(血液検査)をいたします。これらをオーソモレキュラー栄養療法に基づいて解析していき、患者様に不足している栄養素が何かを見つけ出すなどします。結果については、後日、栄養解析レポートとして報告します。
- 採血の際、針の刺入部に赤みや腫れ、痛みが数日程度みられることがあります。
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2.検査結果と治療方針の決定
検査を終えた約一ヵ月後に結果(栄養解析レポート)が通知されます。そのレポートから、患者様の栄養状態の確認、日々の食生活の問題点を探るなどしていきます。そこから食事面の見直しをはじめ、適切とされる治療法(医療用サプリメント、点滴療法 等)を検討し、実践していきます。
- 使用するサプリメントによっては、患者様の体質やその時の体調によって下痢や発疹などの症状がみられることもあります。
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3.再検査・解析
実践した治療法を3ヵ月程度続けた後、カウンセリングや血液検査を行い、栄養状態の変化などを確認していきます。
- 3ヵ月に1回の割合で血液検査やレポートの作成をしていきます。少なくともオーソモレキュラー栄養療法を1年程度は継続されるようにしてください。
費用について
問診、血液検査
2回分 | 27,500円 |
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サプリメント
栄養解析を行ったうえで、そのデータをもとに症状やご予算に合わせてサプリメントを選定いたします。
治療のリスクについて
- 採血時に、針の痛みが起こる可能性があります。また、採血箇所に跡が残る場合がございます。
- サプリメントの種類によっては、体質・体調に合わない場合がございます。また、まれに発疹や下痢などの症状が起こる可能性があります。
- 他の疾患が原因となって体調不良が生じている可能性もございますので、不調が続く際にはご相談ください。